ミスマッチの解消は「母集団」の質から始まる
私が採用責任者を引き継いだ際、直面した最大の課題は「定着率」でした。 原因は明白。入り口である母集団形成から内定までのフローに潜む「ミスマッチ」です。
ネット求人や合同説明会が主流の今だからこそ、私はあえてアナログな手法を徹底しました。それが、全国の大学キャリアセンターへの直接訪問です。
1. 「地域密着採用」がもたらすWIN-WINの配属
なぜ、わざわざ大学を回るのか? その理由は、全国展開する小売量販店において「地域ごとの親和性」が決定的な鍵を握るからです。
出店エリア周辺の大学で採用できれば、学生にとっては慣れ親しんだ土地で働け、企業にとっては定着率の向上に直結します。 私はターゲット校を絞り込むため、学部・学科の特性、立地、さらにはサークルの傾向まで徹底的に「分析・洞察」し、テレアポを手に全国を飛び回りました。
「全国各地を効率よく回るためには、拠点となるホテル選びが戦略の要でした。移動ルートを計算し、翌朝一番の訪問に備えて最適な宿を確保する。そんな細かな準備が、日中の高いパフォーマンスを支えてくれました。」
2. 「10校に1校」の楽観主義と、相手への「敬意」
当然、初対面でいきなり成果が出ることは稀です。私の感覚は「10校訪問して、1校と建設的な話ができれば大成功」というもの。この確率論的な視点が、継続の鍵となりました。
そして、訪問時に何より大切にしたのは、担当者の方への「敬意」です。
- 大学の歴史や周辺地域を事前に学習する
- どんな話題にも対応できるよう知見を磨く
- 相手の立場に立った「一期一会」の対話を尽くす
この姿勢が、「新しいイベントに優先的に呼びたい」という信頼に繋がり、結果として7年で17名もの入社が実現したケースもありました。
3. 未知の出会いを楽しむ:新学部への第一号訪問者
日夜リサーチを続けていると、新学部設置のニュースに触れることがあります。 ある時、開学前の新学部に「第一号の訪問者」として接点を持てたことがありました。真新しい教室を見学し、その後、実際にご入学された学生さんが授業を受ける風景を拝見した時の感慨深さは、採用担当冥利に尽きるものでした。
動かなければ、この「縁」は生まれません。楽しみながら動き続けることで、道は必ず拓けます。
「現地の足としてたまに利用するレンタカーも、スムーズな予約ができることで、限られたスケジュールを最大限に活かすことができました。」
次回は「インターンシップ」の深淵へ
分析、洞察、思考。そして何より「行動」。 次回は、この母集団形成をさらに強固にする「インターンシップ」の試行錯誤についてお話しします。







